子供のいない夫婦の場合
古くから親しくさせていただいているご夫婦の奥様からのご依頼でした。
ご夫婦は高齢でこの先どちらかが先に亡くなってしまったら自宅は、どうなるのかしらとのご質問でした。
・登場人物
夫と妻(子供はいない)
・財産
夫 ➥ 自宅の土地建物と金融資産
妻 ➥ 金融資産
まずは、戸籍を調べてみると夫は事情により養子縁組を繰り返していたことと夫の父親が再婚していたこともあったので、兄弟姉妹が数人いることがわかりました。
被相続人の親も子もいない場合、兄弟姉妹が相続人(法定相続分4分の1)になりますので夫が亡くなり遺言がない場合、相続人どうしで遺産分割協議を行わなければなりません。
兄弟姉妹の相続人がなにもいらないと言ってくれる可能性は期待しないほうが良いと思います。
そうすると1億円の財産があれば2,500万円を兄弟姉妹に分ける可能性が出てきます。
仮に自宅が財産の大半を占めていれば兄弟姉妹への相続分を確保するために自宅を売却したり、お金を工面していかなければなりません。
奥様にもご兄弟がいましたので、ご夫婦そろって公正証書遺言を作成することになりました。
遺言書を作成することで、兄弟姉妹には遺留分がないので、100%配偶者に残すことが可能になります。